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2004.04.28

■□□■□「消化車両」

 随分飲んでしまった。
 私は軽い頭痛と嘔吐感を抱えつつ、最終電車に乗った。
 ちょうど、消化車両が前に停まったので、それに乗ることにした。
 消化車両の中は素敵だ。薄いピンク色のヌルリとした壁。直線で構成された通常車両とは対照的に、そこは曲面で構成されていた。窓は無い。あるのは、規則正しく並んだ襞のような筋。その筋に沿って、ドロッとした液体が上から下へ流れ落ちている。床にはその液体が踝くらいまで溜まっていた。
 私は、座席のように飛び出していた瘤の一つに腰を下ろした。
 辺りを見渡すと、乗客が数人いたが、既に原形をとどめていなかった。
 ピンクの壁は、時折ブルルンと震え、その度に襞の奥から怪しい液体を分泌する。
 私はふと足下を見た。驚いたことに、もう足首から先が溶けていた。今日の胃酸は少し強いらしい。
 消化液は私の上からも降り注いでくる。
 突然、腕の感覚が無くなった。と、同時に、私の両腕が肩から外れ、ドサリと落ちた。
 次に、私の頭部が首から外れ、膝の上に落ちた。既に大腿部も溶けかけていたので、私の頭はそのまま足とともに床へ崩れ落ちた。
 そして、私はすっかり消化されてしまった。

 やがて、列車が停まり、私は駅のホームに排泄された。
 排泄物となった私は、絶望感とともに考える。
 やれやれ、明日も仕事だ。 

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