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2004.02.15

■□□■「子宮」

 ミドリ氏は子宮の中が大好きだ。
 いつものように会社から帰ると、真っ直ぐに子宮に入る。
 子宮に入るには、まず全裸にならなければならない。次に、へその緒を腹部に当てる。そうすれば羊水の中で溺れることはない。お腹が空くこともない。あとは、大きな瓶のような子宮に入るのみ。プカリプカリと漂うだけだ。
 羊水の中では、全ての力から解放される。
 地球の引力からも、社会の重圧からも。
 その子宮は、ミドリ家に代々伝わるものだ。
 ミドリ氏の親も、その親も、そのまた親も、ずっとこの子宮を使ってきた。
 この先、将来はどうなるのだろう。
 大丈夫。
 ミドリ氏の子供も、孫も、ひ孫も、そのまた子供も、ずっとずっとこの子宮のお世話になるのだ。
 ミドリ家の血が絶えることなど、ありえないのだ。
 だって、子宮があるのだから。

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Comments

毎回、楽しく拝見させていただいています。
『卵』『ヨーグルト』『樹刑』などを通じ、
tadさんが書かれる根底には《生まれ変わり》や《母胎回帰》のようなテーマがあるのではと思っていたのですが、今作も面白く読ませていただきました(^^)

なるほど〜。
やはり第三者の目というのは貴重ですね。
あまり自分の駄文について考えたことがないもので・・・。

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